田村の春を訪ねて
(滝桜)
1日目は曇り空の風の強い中を猪苗代湖の南岸方面を廻った。郡山駅から県道6号線で1時間近く入る山間の地は、山の斜面に所々雪も残り冷たい風が吹いていました。桜も蕾を堅く閉じて開花までにはまだまだ時間が必要なようです。里の田圃の畦にぽつんと立つ「千手院の種蒔桜」が見たくて訪ねたのですが、残念ながらその光景を見ることは叶いませんでした。
2日目は昨夜遅く合流した妻と朝早くホテルを出て三春町周辺を廻りました。雲が多く時々雲間から日が射す程度の天気です。三春町内の桜は見頃を迎えていたが、ちょっと南に入った里山の桜はまだ蕾が多く、来るのが少し早過ぎた感じです。早咲きだった一昨年は別としても、この所の寒さで今年の開花はかなり遅れているようです。
県道65号線から入って、郡山市中田町の「上石の不動桜」「忠七桜」「五斗薪田桜」「紅枝垂地蔵桜」「伊勢桜」と廻りました。「滝桜」が見頃の報で来てみたのですが、この辺の桜はまだ5分から7分の咲きです。それでも皆、年数を経た風格ある樹形も花の色も見事なもので、道路沿いに咲く数々の桜も含めて、この地は一本桜の王国なのです。
県道40号線に入り「滝桜」に行こうとすると例年の大渋滞。滝桜は明朝に来ることにして、県道144号線に移って三春町の「福聚寺の枝垂れ桜」を見ることにしました。途中、さくら湖に架かる春田大橋よりさくら公園の遠景を楽しむつもりでしたが、どんよりとした空模様に寒くて立っていられない程の冷たい風が吹いていて早々に退散しました。
三春の町は街中が桜に埋まっていました。街中の駐車場に車を置いて福聚寺まで山道を往復。「福聚寺の枝垂桜」は2本とも見頃を迎えていました。裏手のお墓の丘から眺める枝垂れ桜は竹の若緑と相俟って見事なものでした。
街中の蕎麦屋さんで昼食を摂り、次は国道349号線に出て「合戦場の枝垂桜」を目指しました。初めて見るこの桜は、一面の菜の花の斜面の上に立つ大木の一本桜で、濃い紅色の花を半円形に描いていました。雲が取れるのを願ったのですが、桜の背面から次々と黒い雲が流れて来て、青空に映える菜の花と枝垂れ桜を拝むことはできませんでした。
三春駅近くに戻り、地番は郡山市に属する「雪村庵の枝垂桜」を訪ねました。傾いた陽が時々雲間から射し、竹の緑をバックに輝く枝垂れ桜にしばらく感動の時間を得た。福聚寺の枝垂れ桜もこの雪村桜も幽玄の世界を感じさせるものがあり、ここ3年好きで通っている。雪村桜は、昨年の雨の中の花も、今年の夕方の桜も味わい深いものがあった。この地区には他にも沢山の一本桜が在るのですが、今回は諦めることにしました。
2日目の夜は磐梯熱海温泉の旅館を妻が予約してくれた。明日26日は私の誕生日ということもあり、温泉に浸かってゆったりとお酒と料理を楽しめるようにとの計らいです。4階の貸切の展望風呂から眺める桜の咲く夕景は素晴らしく、美味しいお酒はドライブの疲れを癒してくれました。
翌朝は朝食代わりのおにぎり弁当を頂き朝早く宿を出て、一路「滝桜」を目指しました。磐越自動車道を経由して6時過ぎには三春町滝に到着。観光客は少なくカメラマンばかりが桜を取り囲んでいます。朝の光が薄い雲の間から射す度に、滝桜の花びらが輝き美しい光景を見せてくれました。
滝桜の次に、これも私のお気に入りの桜「小沢の桜」を訪ねました。国道288号線から国道349号線に入り少し行った田村市船引町の田圃の中に一本だけ立っています。地元の方が交通整理や案内をしていましたが、残念ながらまだ開花したばかりで、その清楚な美しさを見せてはいませんでした。
最後に、昨日も訪ねた里山の緑の丘の上に咲く一本桜「五斗薪田の枝垂桜」が凄く気に入って、再度訪ねました。昨日と違って青空ののぞく明るい丘の上の桜は綺麗に輝き、桜の枝の間からは遠くの雪山が望め、美しい光景を見せてくれました。
今回の旅も沢山の銘木に巡り会えて大変満足できるものでした。妻の感想は「仕事を辞めたらこの辺に住みたいね」でした。
昼前に郡山駅に帰着し、レンタカーでの250キロに及ぶ一本桜を巡るドライブを終りました。千葉への帰路途中、前回つぼみ状態で見れなかった那須野の「磯上の山桜」を見て帰宅しました。
コメント[2]
[No.59] タイトル: (無題)
素晴しいサクラ撮影の旅でしたね。同乗者(奥さん)ともども楽しまれたことでしょう。
コースの状況も大いに参考になりました。
Posted by ootoshi68 at 2006年5月 2日 17:45 返信
[No.60] タイトル: (無題)
ootoshi68さん、こんばんは。今年はあちこち廻ってちょっと疲れましたが、福島の一本桜を堪能しました。
来年は棚倉にも行ってみたいと考えています。実家からはそんなに遠くなさそうです。
BLOGは簡単で使い勝手いいですよね。
Posted by オーク at 2006年5月 2日 18:37 返信
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