2007年8月 7日 (火曜日)

身近な山のお花畑−大峠

かなり観光地化されてしまった那須も、奥に入るとまだまだ素晴らしい自然が残っているのを実感する山旅でした。それも車を降りて1時間も登れば山上の花園です。表那須のような観光地化が進まないことを切に祈ります。



7月25日、福島県下郷町の旧街道を辿って栃木県境の大峠から流石山への尾根を歩いてきました。



お花畑

塩原から国道400号線を会津に向かい、会津田島を過ぎ下郷町に入って国道121号線から別れ、広大なそば畑の広がる猿楽台地、見事な紅葉を見せる観音沼に通じる道を更に奥に進み大峠への林道を走る。「日暮の滝」を右手に見ながら更に進むと道は途中から砂利道へと変わる。しばらく進むと車20台程度は停められる広場に出たのでここに車を停めて身支度して登山開始。15分程歩くと林道の終点となる。ここから登山道に入り、大きな案内板の建つ鏡沼への分岐、一里塚の石碑を過ぎ少し行くと道が二手に分かれる。右に降りていく道が旧道、左にトラバースするような道が新道とある。行きは旧道を通ってみた。笹をかき分けながら細い道を下りそしてまた登ると新道と合流し、それから少しで展望が開け大峠に着いた。林道終点から30分程度。峠にはお地蔵さんが建ちケルンが積み重ねられていた。そしてその周りをシモツケやハクサンフウロ、ヒメシャジンの花々が咲き飾っていた。



大峠

(左:三本槍岳、右:三倉山、奥:三斗小屋温泉 手前:野際 とある)



駐車場で後から来た大倉山まで登る登山者一人と会って先に出立してきたので、7時前の峠には誰も居ない。水分を補給し朝食を摂り一休み。そして周りを散策しながら花を撮影して廻る。天気は晴れだが、遠くの山々は霞んでいる。三本槍岳への尾根を少し登って振り返ると、これから行こうとする反対側の斜面にはニッコウキスゲが一面に咲くお花畑が見える。



峠に着いて1時間もするとグループや夫婦連れの登山者が次々と登ってきた。そして一休みすると早々と斜面を登って行く。

私もカメラをセットした三脚を担いで斜面を登り始める。かなりの急斜面、そして小石の散らばるガレ場で歩き難い。ゆっくりと30分程登ると先程遠めに見たお花畑に着いた。ニッコウキスゲが黄色く一面を染めている。それに混じって背の高いシシウドが白い花を掲げ、ピンクのハクサンフウロが緑の中に点々と咲いている。正に自然の花園、緑の絨毯のような草原に囲まれ美しい光景であった。



ハクサンフウロ



更に雨水で抉られた道を登る。花数は減るがいろいろな花が咲き乱れる登山道をフーフー言いながら登って行くと気持ちいい尾根道に辿り着いた。三本槍岳や茶臼岳、その合間に朝日岳が、その手前には隠居倉の山々が逆光で霞んで見える。沼原ダムが陽を反射して白く見える。目の前には三斗小屋温泉の建物が小さく見え、少し上には源泉の噴煙が見える。北の方角には会津の町々が小さく見え、その右手には旭岳が大きくそびえている。気分爽快である。西の日光連山や高原の山々が雲に覆われて見えないのが残念であった。



尾根道



流石山まで足を伸ばそうと思ったが、花の撮影が目的だったのでマクロレンズに差し替えて下ることにした。草地に入り込むのを控え、登山道の斜面に咲く花々を不安定な姿勢で撮影しながらガレ場を降りる。周りはドンドン雲が湧き出てきて景色を消して行くが、斜面では光線が強過ぎるくらいである。表面に在る花と日陰の茂みの中に咲く花、露出補正に注意しながら撮る。



大峠に戻ってまた一休みした後山を下りた。帰りは新道を戻ったがぬかるみが多く歩き易い道ではなかった。



先の尾瀬沼、今回の大峠、そして次回投稿予定の会津駒ケ岳の写真をギャラリー水楢にアップしましたので、お暇な折にお立ち寄りください。

大峠の写真には次の日に訪ねた那須街道のヤマユリの写真を併せて掲載しています。

ギャラリー水楢

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