花の会津駒ケ岳
美しい尾根道とハクサンコザクラを始めとするお花畑に魅かれて日本百名山の一つ会津駒ケ岳に登ってきました。
周りの山々が雲に隠れて見えなかったのは残念でしたが、沢山の高山植物と美しい稜線には感動しました。
朝5時前に登山口の駐車場に着くと既に20台を超える車が停まっています。登山口前のスペースからちょっと下の大きな駐車場のはずれに車を停めて身支度し、5時15分に歩き始めました。よくネットで目にする写真「木の階段」を登って森の中の登山道に取り付きます。最初からかなりの急勾配です。麓の天気は快晴で朝から気温は高い。森の中で直射日光こそ射しませんが、湿度は高く直ぐに汗が滲んできました。
登山道は昨夜までの雨でかなりぬかるんでいます。途中でスパッツを着けていると子供連れの家族が追い越して行きました。その後も中年の単独行の方や主婦の二人連れの方と先を譲ったり追い越したりしながら、見通しの効かない森の中を登りつめて行きます。1時間半もすると水場の入り口に着きました。そこから下のほうに水場があるようですが、又登ってくるのが面倒と思い少し休んで歩き出しました。雨水が流れた跡のような抉れた道やぬかるんだ泥道に木を半分に割った木道らしきものを並べた所を歩いて行くと、木々の間から周りの山々が垣間見えるようになります。そして水場から1時間も登ると展望が開け会津駒ケ岳が見えてきました。そこから少しで稜線に出て、駒の小屋から会津駒ケ岳への美しい稜線が眼前に広がりました。
そこから先はずっと木道を歩くことになります。木道の周りには花がいっぱいです。燧ケ岳を始めとする山々は雲に覆われて見えませんでした。残念。それでもやっと会津駒ケ岳に来たーって感じです。
なだらかな丘を登りきると駒の大池に着きました。池の脇のベンチには沢山の人が休んでいました。どこの山に行ってもそうですが、ここも女性と私を含めた年配の方達が大半を占めていました。池の周りはハクサンコザクラを始め沢山の花に彩られています。池の左手には駒の小屋が建ち、右手奥には雪渓が残っています。私もベンチに腰掛けて遅い朝食を摂りました。
駒の大池から木道を歩いて30分弱で駒ケ岳頂上です。途中、霧に霞む平原にはコバイケイソウの大群落がありました。花の時期は見事だろうと思います。駒ケ岳頂上は木々に囲まれ見通しは効きません。
直ぐに中門岳に向かって降り出しました。駒ケ岳中腹から見た中門岳に続く稜線は、緑の草原に所々雪渓や池塘が散在し、霧が樹林を包み込んで美しいものでした。
残った雪渓を踏んだり、池塘の周りの花々を撮影したり、霧の流れを眺めたりしながら明るい尾根道を1時間ばかり歩くと中門岳に着きました。大きな池のほとりに木の標識が斜めになって建っているだけで、頂上といった感じではありません。標識には「この一帯をいう」との但し書きがありました。木道に座り込んでしばらく眺めていると、霧が出たり消えたりして辺りの光景を変化させます。ここには朝早く来るべきだなーと思いながらしばらく佇んでいました。
11時過ぎ、後は花を撮りながら降りようとマクロレンズに差し替えて下山を開始しました。
中門岳から駒ケ岳に続く稜線は反対側から見ても美しく、周りの風景を眺めながらゆっくりと歩く。雪渓を子供のように踏みしめて歩く。色の綺麗なハクサンコザクラを見つけては屈みこむ。
「後は降りるだけ、下山したら冷たいビールを」などと思いながら駒の大池を目指しました。
今度は駒ヶ岳を巻くように歩き、駒の大池に出て少し休み、後は一気に森の中の坂を降りました。水場を過ぎてからは疲れも出て未だか未だかの感じでした。年配の方のグループが最後の坂道を降りるのに苦労していました。このジグザクとした勾配のある坂道は疲れた足には結構きついものがあります。木の階段を降り駐車場に着くと膝はガクガク、のどはカラカラで、車に残しておいたお茶のペットボトルを一気に飲み干しました。
これで7月末の3つの山旅の紀行を終わります。写真はギャラリー水楢をご覧ください。
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