山上の湿原 田代山
「山頂が広大な湿原」に興味をそそられ、福島/栃木の県境に位置する田代山に登ってみました。
ここの処の暑さは尋常ではないので朝の内に登ってしまいたいと、5時半には登山口に到着、5時45分に登り始めました。天気は快晴で朝から気温はうなぎ上り、沢に沿った森の中の登山道で早くも汗だくでした。9時過ぎ1926mの頂上湿原に出ると流石に山の空気で気持ちよく、軽やかに湿原を散策できました。しかし山の天気、ガスが出たり消えたりで会津駒ケ岳を始めとする周りの山々の眺望は効きませんでした。
尾瀬方面に向かう国道352号線を湯の花温泉方面に左折、そのまま道なりに進むと、途中藁葺き屋根の曲屋が残る水引集落に出ます。更に進むと砂利道の細い林道となり、所々にイワナ釣りの方達の車が道路脇に駐車しているのを目にするようになります。細い曲がりくねった道を更に進むとトイレのある大きな駐車場に出ますが、もう少し進むと林道終点の猿倉登山口駐車場に着きます。林道は「県道栗山舘岩線」の名前の通り栃木県栗山村(現日光市)まで通っているようですが、現在はこの猿倉登山口で通行止めとなっており栃木県側からは入れないようです。
猿倉登山口から森の中を1時間半程度登って行くと、シラビソに囲まれた小さな湿原に出ました。小田代湿原の標識が建っています。小さな湿原ですが、豊富な高山植物が花をつけています。夢中で写真を撮っていると小1時間が過ぎ、その間に2組のご夫婦の登山者が追い越して行かれ、1組の登山者が早くも下山して行きました。木道の先を眺めると木々の先の高みに頂上らしき台地が見えます。
小田代湿原から針葉樹の中を30分程登ると正に広大な湿原に出ました。帝釈山に向かう木道と分かれて湿原の中を進むと田代山の標識の建つ山頂に着きました。ここは帝釈山に向かう木道と木賊温泉に降りる木道の三叉路になっています。
湿原はキンコウカが盛りで薄黄色く染まっており、所々に散らばる池塘が黄緑の草原に穴を開けています。時々霧が出ては湿原の周りのシラビソにカーテンをかけたり、雲間の光が射すと湿原の黄色を輝かせたりと刻々と光景を変えていきます。湿原にはキンコウカの他に、イワショウブ、タテヤマリンドウ、アキノキリンソウの花々、水滴を纏ったモウセンゴケや、チングルマの穂、ワタスゲの綿毛が見えました。
ギャラリー水楢に先週行った2回の旅の写真をアップしましたので、お暇な折にお立ち寄りください。
コメント[1]
[No.112] タイトル: (無題)
尾瀬国立公園の誕生環境庁は8月30日付けで29番目の国立公園として、尾瀬国立公園を指定すると10日に発表している。
尾瀬地区を日光国立公園より分離独立させると共に、会津駒ケ岳、田代山/帝釈山の地域を新たに編入する。
Posted by オーク at 2007年8月23日 11:25 返信
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