南トスカーナからアッシジへ
15日は天気も良く穏やか朝を迎えました。今日はモンテプルチャーノを発ってアッシジへの移動の日。
7時半にルチアさんが食事を運ぶのと一緒に、昨夜お願いしておいた自家製のワインとオリーブオイルのボトルを持って来てくれた。ワインはプレゼントだと言う。申し訳ないとは思ったが有り難くご厚意に甘えることにした。それにニコル君が昨夜の内に絵を描いてくれてプレゼントしてくれた。うれしくて二人とも目頭が熱くなった。
ありがとう!ニコル君。そして、ルチアさん、ダニエルさん、お世話になりました。
(ニコル君からのうれしいプレゼント)
10時前にともこさんが迎えに来てくれる。母屋に出向きルチアさんやおじいちゃん、おばあちゃんに、そして別の車で来ていたマッシモさんにお別れの挨拶をしてモンテプルチャーノを発った。本当に思い出に残る3泊4日の滞在でした。
車はキアナの谷を横切りウンブリア州との境にあるテロントラ・コルトーナ駅に向かう。途中は美しい田園風景が広大に拡がる。今年の7月にはヒマワリが一面に咲き誇り美しかったと言う。コルトーナの駅はモンテプルチャーノから見ると対岸の山の中腹にある。
発車時刻まで時間があったので、駅前のバールに入りコーヒーを飲みながらともこさんとおしゃべり。
少し余裕を持って駅に戻り、切符を買って、ともこさんとお別れした。お世話になりました。お蔭で楽しい思い出に残る良い旅ができました、ありがとうございました。
キップに打刻してホームに出る。暫くして列車が到着。荷物があるので一つのボックスを占有するように席に着く。列車は夏は保養地となる大きな湖の脇を走り、山間部を縫うように走り、少しづつ高度を上げるような感じでアッシジに向かう。途中、体格の良い黒人の若者が数名降りて、代わりに学生と思われる若者が沢山乗り込んできた。あの中田選手が滞在したペルージャだった。アッシジはペルージャから直ぐだった。
アッシジの駅前からタクシーに乗ってホテルに直行した。タクシーはアッシジの新市街を抜け、農地の広がる平野を結構なスピードで走る。山の中腹に在る城壁に囲まれた旧市街の裏にはスバシオ山がなだらかな稜線を見せ、山頂部を真っ白くしていた。
タクシーは旧市街の狭い折り曲がった道路をスピードを緩めることなく走り抜けサン・フランチェスコ聖堂前の広場に出てホテルに到着。ホテルは聖堂の真ん前だった。
部屋に入ると広い角部屋で、窓からは聖堂が真正面に、南の窓にはアッシジの平野が拡がっていた。見事な風景である。
少し休んで街に出てみる。まず、サン・フランチェスコ聖堂を見学した。大きな聖堂の壁や天井はどの階もフレスコ画で埋め尽くされている。キリスト教に疎い私には意味合いは良く分からないが、聖堂の壮大さ、荘厳さには圧倒される。1977年の地震で崩れたフレスコ画の壁は大方修復されているが、所々剥げ落ちたままの部分が残っていた。一つ一つ拾い集め、はめ込み、修復する作業は途方も無い作業だったに違いない。
聖堂の外に出ると、夕焼け空に三日月が出て、新市街の明かりが美しく輝いていた。
坂を上ってロッカ・マッジョーレ(大城塞)まで行こうと歩き出したが、日暮れから強くなった冷たい風に足も鈍りホテルに戻ることにした。この冷たい風はアッシジの名物のようだ。
朝霧に浮かぶ聖堂の屋根を想像していたが、この風では霧は出そうもなかった。ホテルのレストランで夕食を摂って早々にベットに入った。
(夕暮れのサン・フランチェスコ聖堂)
(夜のサン・フランチェスコ聖堂)
翌日は小雨交じりの強い風が吹いて寒い一日となった。サン・フランチェスコ聖堂から丁度反対側に在るサンタ・キアーラ教会まで脇道に入ったり戻ったりしながら歩いてみた。サンタ・キアーラ教会を見学して元来た道を買い物をしながら戻る。小雨と風にあたりかなり寒い。ホテルに戻り暖房を強くしてもタバコを吸う度に窓を開けるので広い居間はなかなか温まらない。TVをつけるとローマに着いた時からトップ・ニュースのサッカー・ファンが誤って警官に射殺されたニュースとバングラデッシュのハリケーン被害のニュースが繰り返し報道されている。その日は、雨・風でとうとうホテルに篭ることとなった。
(アッシジの夜明け)
17日は10時前にホテルをチェック・アウトしてタクシーでアッシジの駅に出る。途中、遠回りして新市街にあるサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会に寄った。丁度ミサの最中で、祭壇からのお祈りの声とパイプ・オルガンの音楽が建物内に響き渡り荘厳な雰囲気を醸し出している。キョロキョロと見学している雰囲気ではなかったので、一回り壁際の宗教画や彫刻をみて外に出た。
アッシジからローマに出る鉄道で乗り換えなしの列車は少ない。日本で調べておいた直通列車に合わせて駅に来た。ところが駅の窓口を見ると閉じている。困ったと思いつつ振り返ると自動販売機が置いてある。説明画面を見ると現金は使えないとある。イタリアではクレジット・カードを読み込んだ後故障しカードが出てこないことがあるので注意した方が良いとの情報があったので躊躇したが、良く見るとカードを機械内部に取り込む方式ではなく、差し込むだけで読んでくれる方式のようなので使ってみた。英語画面に切り替えて指示通り列車番号、行き先、等級、人数を選び、クレジット・カードを読ませるとキップが出てきた。良かった、切符の内容にも問題無さそうだ。切符に打刻しホームに出てみると、ホームにも自動販売機が置いてあった。様子を見ているとこちらは現金が使える販売機だった。
アイルランド人の一人旅のご婦人が話しかけてきた。電車の乗り方に不安を持つ外国人同士、確かめ合いながら安心すると共にイタリアでの旅行のことをお話しする。その内日本からの一人旅のご婦人がやって来た。1ヶ月かけて北から南にイタリアを旅行中で、次はローマに1週間滞在だと言う。月単位でヨーロッパをあちこち旅しているのだそうだ。失礼だが我々とそう年は違わないだろうに、たくましい。列車が来て各々が席を確保して乗り込む。
列車は山間部を走り、そして広大な平野部に出てローマを目指す。遠くに見える山の頂は白く輝いている。
。。。。。終わり
今回の旅では、素晴らしい景色に出会い、美味しいイタリアの家庭料理をいただき、そして沢山の素敵な人達と出会うことができました。
みなさん、本当にありがとうございました。いつか又お会いできますように。
コメント[2]
[No.122] タイトル: (無題)
最初から楽しく読ませて頂きました。読みやすく、分かりやすい旅行記も
さることながら、間に入った写真も
とっても素敵です。
これがいつも見ている風景なのかしら?
と、思うような写真も多く
アングルや撮る人によってこんなにも違うことが
とっても興味深かったです。
ニッコロ(ニコル)にも、web上に絵が載ったよ!
って、教えてあげようかと思います。
Posted by tlifestyle at 2007年12月 1日 07:32 返信
[No.123] タイトル: (無題)
tlifestyleさん、大変お世話になりました。風邪の方は如何ですか。遅くまでお世話になってしまい申し訳ありません。
忘れない内にと大至急でブログを書き上げ、所用で実家に行っておりました。
アッシジでいただいた私の風邪は未だに大事にしてます(笑)。軽いのですが、なかなか。。。
機会がありましたらニコル君にプレゼントの絵を大事にしている旨お伝えください。
ありがとうございました。
Posted by オーク at 2007年12月 2日 13:48 返信
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