再び御池へ
16日に訪ねたときには未だブナの芽吹きは見られず雪も相当に残っていた御池ですが、この27日には鮮やかにブナが芽吹いていました。御池駐車場の直ぐ隣の御池田代ではすっかり雪も融けてミズバショウに混じってリュウキンカが花を開き色彩豊かな春の訪れを告げていました。
実はこのサイトでもリンクを貼らせていただいている「那須・塩原・会津」(栃木県の荒崎節夫さんのサイト)に18日の御池田代の写真が掲載されているのを見て、リュウキンカの咲くのを待って是非訪ねてみたいと思っていました。27日、連れの都合もついたので檜枝岐に前泊して御池田代に入ってみました。
朝の御池田代は我々の独り占めでした。木道から、そして森の端に残る雪の上から色づき始めた御池田代の風景を堪能しました。そして森に入り残雪の中を登り小さな湿原・姫田代に出ると、そこはまだ一面の雪景色でした。
森の中では所々で木道が現れていましたが、その周りは危険地帯、踏み外すとズボッと雪の中に足をとられて転倒します。森の中ではブナが鮮やかに芽吹き青空に映えます。ブナの根の周りは雪が融け根明けが出来ています。朝の気持ちよい冷気の中を久しぶりに雪の上を歩きました。
姫田代から御池田代に戻って来ると、チラホラとカメラマンがやってきました。みなさん地元の方のようで、自分好みの撮影ポイントにスイスイと登って行きます。その中に長きに亙って檜枝岐にお住まいのご夫婦がおられ、上田代(尾瀬ヶ原のカミタシロと違いウエノタシロと読むのだそうです。姫田代の上に在り新潟の平ヶ岳の眺望が美しいと言っておられました)まで誘われましたが今戻ってきたばかりなのでご遠慮させていただきました。我々は一旦御池駐車場に戻り遅い朝食を摂ってまた御池田代に戻りノンビリと明るくなった湿原の風景を楽しみました。
その内に先程のご夫婦が下山してこられ、写真や尾瀬についての話になりました(離れた所では女同士でカメラ好きの旦那への愚痴を言い合っていたようですが)。後程の紹介で分ったのですが、その方は平野和彦氏でした。定年退職を機に本格的に尾瀬の撮影に取り組まれ、東京での写真展を機に2000年に写真集「尾瀬光彩」を発刊されました。その大切な写真集を御池駐車場での別れ際に戴きました。尾瀬の美しい四季折々の風景が一瞬一瞬に射す光の中で更に美しい光景となって写し出されていました。素晴らしい写真の数々、写真を趣味とする者にとって大変貴重な戴き物でした。ありがとうございました。
平野和彦氏写真集
尾瀬光彩
㈱日本写真企画 発行
ISBN4-930887-27-5 C0072
御池からの帰り道、ブナ平の緑が見事な美しさを見せていました。御池田代やブナ平の美しい風景、そして平野和彦氏との出会い、楽しい1日でした。
最近の写真集に「雪解けの御池田代」と題して8枚の写真をアップしました。併せてご覧ください。
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