蔵王のコマクサ
宿を出て蔵王エコーラインに入って直ぐには宿泊設備が在るためか数台の車とすれ違いましたが、高度が上がるつれ車と出会うことはありませんでした。くねくねした路を上がるにつれて霧雨も濃くなり刈田峠から蔵王ハイラインに入る頃には視界は20m程度になりました。朝早いためかハイラインの料金所に人は無くフリーパスでした。刈田岳の第1駐車場にはバスが1台と普通乗用車が2台停まっていました。奥の方は霧雨で見えません。支度をして刈田岳レストハウスに行くと建物はまだ閉まったままで、「トイレに御用の方はXXXの施設を利用してください」と他の施設への案内がされていました。
レストハウスの先の刈田岳、お釜、そして熊野岳への分岐を熊野岳方面に向かいました。当初は刈田峠の南蔵王登山口から芝草平まで往復し高山植物と山の風景をと計画していたのですが、この霧雨で見通しの悪い中を独りで初めてのコースを歩くのは心細く行き先を変更しました。
最初は小石の敷き詰められた登山道を進みます。登山道の脇には石作りの柵が設けられ高山植物を保護していました。昨年には柵は無かったと思います。観光客のごった返すこの付近の高山植物の保護にはいいことだと思います。しばらく行くと岩のゴロゴロした赤土の登山道となります。目印に5メートル程の高さの棒が20メートル程の間隔で立てられています。これは深い霧の中を歩く登山者にとってはとても助かります。右側はお釜に落ち込む断崖ですので高さのある目印は効果があると思いました。
傾斜が少しきつくなった登山道を更に進むと、左側に小石の敷き詰められたような平地の中に潅木が茂る丘状の場所に出ます。目を凝らすと小石の間にポツポツとライトグリーンの葉とピンクの花のコマクサが見えます。コマクサを踏まないように注意しながら2時間程一帯を歩き廻りました。
時どき霧雨が薄くなり熊野岳のなだらかな稜線や非難小屋が見えたりしますが、カメラを向ける頃には直ぐ隠れてしまいます。コマクサやコメススキについた雨粒が綺麗に輝く瞬間も短く、なかなか捉えることができません。そうこうする内に9時も近くなり引き上げることにしました。
帰りはお釜に沿って歩いてみました。少しづつ霧が薄くなりお釜のエメラルト・グリーンが綺麗に見えるようになりました。風が強いのか水面が波立っています。レストハウスが見える所まで来たときには時どき光も射すようになりました。カメラマンや観光客が次々とお釜の縁に立てられた柵際にやってきます。
帰り支度をしてレストハウスで暫く休憩。夏休みに入ったこともあって大きな駐車場は満車状態です。10時頃刈田岳の駐車場を後にし、エコーラインを白石ICに向けて下りました。山頂付近は霧雨も止んでうす曇の天気でしたが、エコーラインは深い霧の中でした。次々とライトを点けた車とすれ違います。
最近の写真集に「コマクサ」と題して12枚の写真をアップしています。併せてご覧ください。
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