遺族年金支給額の計算をやってみた
昨日、今日と朝の最低気温が15℃台となって一昨日までとは打って変わって肌寒い雨の一日となっています。やっと秋らしくなってきたってことでしょうか。
ネットを見てると遺族年金に関する記事がチラホラあってどうも思ってたほどは支給されないようなことが書かれています。そこで自分の場合(自分が死んだ後w)はどうなるんだろうとエクセルを使って計算してみました。
日本年金機構のサイト*1で調べると、『「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚生(退職共済)年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較し、高い方の額が遺族厚生年金の額となります』とあります。「老齢厚生年金」や「老齢基礎年金」は普段に目にする用語ですが「報酬比例部分」となると内容も金額も頭に在りません。*2 と言うことで現在支給を受けている厚生年金の計算から始めることになりました。
その為にはまずは、自分の現役時代に払った厚生年金の保険料の月額から調べなければなりません。同じ年金機構のサイトにログインし*3、年金記録を確認する > 詳細な年金記録を確認する > 各制度別の詳細な年金記録を確認する > 厚生年金保険加入記録を確認する と辿って厚生年金に加入した以降の標準報酬月額*4とその納付年月が表示されるのでそれを全てエクセル表に記録しました。更に納めた年金の累計を計算するため報酬月額が変化する毎に次に変化するまでの月数の欄を設け月数計算の関数を設定して置きます。
「報酬比例部分」の計算を含めた老齢厚生年金の説明は、同じ日本年金機構のホームページの、トップページ > 年金の制度・手続き > 年金の受給 > 老齢年金の制度 > 老齢年金(受給要件・支給開始時期・年金額)> 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額 に在ります。その中の老齢厚生年金の説明の中の報酬比例部分のリンク先 トップページ > 年金の制度・手続き > 年金用語集 > は行 > は行 報酬比例部分 に報酬比例部分の計算手順が在り、それにかかわる各種計算に使われる係数の掲載先も「年金額の計算に用いる数値」のページに明示されています。*5 まずはその中の過去に支払った保険料を最近の賃金水準や物価水準に持ち直すための係数(再評価率)の数値を係数が変化する年月と共にエクセル表に転記します。その際には先に転記してある標準報酬月額の金額の変化に合わせて時系列に並ぶように転記します。変化までの月数を計算する関数も同様に組み込み直します。これで標準報酬月額の変化と再評価率の変化を併せた表が出来上がります。
再評価率の一つ目の係数は、通常の「平均標準報酬月額」を求めるためのもので再評価率欄の年度毎のPDF表*6を使用します。更に使用する係数は年金受給者の生年月日に合わせて使用します。
そして再評価率の二つ目は「従前額補償の平均標準報酬月額」を求めるためのもので再評価率欄の従前額補償の欄のもの*7を使用します。こちらは生年月日による使い分けはありません。
通常の平均標準報酬月額と従前額補償の平均標準報酬月額を求めるため、各々の累計金額を求める欄と計算式を挿入します。
支払った保険料(標準報酬月額)x 再評価率 x 月数
で標準報酬月額の変化と再評価率の変化を組み合わせた各々の時点での支払い額を算出し、更にそれを合計することで厚生年金加入期間全ての支払総額が計算出来るようにします。
下記に出来上がったエクセル表の頭の部分のサンプルを載せます。
次に縦列の合計を出し、月数の合計で割ると通常の平均報酬月額と従前額補償の平均報酬月額が算出されます。但しその際に平成15年3月までと、それ以降の二つに分けて月数合計と保険料支払い合計そして各月数合計で割った平均報酬月額を出すようにします。結果、通常での二つの平均報酬月額と従前額補償での二つの平均報酬月額が出来ます。
次に四つの平均報酬月額の各々に「報酬比例部分の乗率*8」を掛けます。係数は受給者の生年月日に合わせて選択し、通常の報酬比例部分と従前額補償の報酬比例分、そして平成15年3月以前とそれ以降で使う乗率が異なります。
次に通常の報酬比例部分の平成15年3月以前と以後の合計を出します。通常の報酬比例部分についてはこの値が最終の値となります。従前額補償の報酬比例部分については平成15年3月以前と以後の合計に更に1.041(昭和13年4月1日以前に生まれた人は1.043)を掛けた値が最終の値となります。
最後に通常の報酬比例部分の最終値と従前額補償の報酬比例部分の最終値を比較し大きい方が報酬比例部分の金額となります。
面倒ですね~。計算式の挿入はエクセルを使ったことのある方には簡単ですが、エクセル表に過去の払い込み額や各種係数を入れ込み計算出来る形にするのが面倒でした。
で、結論は、報酬比例部分だけの4分の3は厳しいかも。残された人の養老基礎年金や養老厚生年金そして他の年金にもよりますが、単純に二人分の年金が一人+α(残された人の年金額によってはαはゼロになる)になる訳ですから相当に減ることは覚悟せざるを得ないです。
養老基礎年金、養老厚生年金の経過的加算など現在私が支給されている年金の計算は日本年金機構のホームページの説明で何とか計算できることは確認できました。年金機構の出張所に出向けば金額は直ぐに出る訳ですから必要性は低いですが。
- *1 https://www.nenkin.go.jp/
- *2 日本年金機構トップページ > 年金の制度・手続き > 年金の受給>遺族年金の制度 > 遺族年金(受給要件・対象者・年金額)> 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html#cms03 - *3 ねんきん定期便が始まったときに年金機構から通知されたIDとその時に自分で設定したパスワードでねんきんネットにアクセスするか、マイナカードを使ってマイナポータル経由でアクセスする(事前に利用設定が必要)ことになります。
- *4 給与等の収入金額に応じた等級別の厚生年金の保険料納付金額
- *5 トップページ > 年金の制度・手続き > 年金の受給 > 各年金給付に関連する共通の情報 > 年金額に関すること > 年金額の計算に用いる数値
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/nenkingaku/20150401-01.html - *6 令和6年度再評価率(一般)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/nenkingaku/20150401-01.files/6_kounen.pdf - *7 従前額補償の年金額計算に用いる再評価率
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/nenkingaku/20150401-01.files/juzengaku.pdf - *8 上の再評価率の係数と同じく「年金額の計算に用いる数値」のページにリンク先が掲載されています。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/nenkingaku/20150401-01.files/hirei.pdf
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